広報じょうほく No.349 1991(平成3)年 6月
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よ り 水も風は畦沿ひの草刈り水を走らする 原 勝男 散る花に酔ふ休日の締めくく り 小田木 梅 やはらかき風のめぐりて芽吹 山 瀬谷 博子 きえず 噸りにシャツツ眩しく乾きけ り 長須きみの 拝観の順路に遠くばき 羽石 次枝 新緑の靴びかびかに磨きけり 飯村 愛子 白鳥の朝ちたるあとの芝みか な 飯嶋 とみ 瀧夜の北京に友と酔ふてをり 安藤沙都子 はらみ 餌をねだる目の澄みてをり季 阿久津あい 子 Lか 鹿 そこはかと過ぎて母の忌柿若 高橋 芦江 葉 描きまくる子の瞳かがやき芽 吹山 浅野 菊枝 楚々として風のたはむれ桐の 渡辺 典子 花 いちはつのつぼみたずさえ大 き茎 鶴見 弘子 手拭ひを結びなおして種落す いそべきよ この風も瀬の青も好き柿若葉 桧山 よて 夏雲がぽっかりとある水たま り 袴塚 末子 背伸びする足先までも五月晴 吉元つる代 あぎみ 明るさが欲しく蔚を長く折る 竹内 幸子 起き抜けの素足ひらりと錦鯉 鯉渕寿美恵 ふれあい 俳句教室 おとな じ上うし らっか ま 訪へし城址は落花舞ふばかり 安藤美恵子 はなむしろ 花延踏むをためらふ城の跡 丹下やゑ子 如き欝ぶ加齢郎が舞ふ落花 桐原 桂花 ちくじ上う ほりあと はないかだ 落城の壕跡すべて花筏 小山 静香 いちらっか Lろあと あわ ひ ぎ 城跡の淡き日射しに一落花 鈴木 幸子 はなばんだ 城跡の丘といふ丘花万菜 猪野はるい あとちり 落城の跡一面の花の慶 永山 綾乃 お人そうそで 御僧の袖より落ちし一落花 宇野 英一 あ た と ゆか 一礼をして花の道往き交ふる 小堀 林三 めぐ 城跡を巡る落花を浴びながら 井坂 光夫 のりとう 法の橙登りてよりの花明り 須江 君子 めいさつ ちんち享フ 名刺の沈丁闇に香を放つ 永山 とみ ぺに 白つつじ紅つつじには加はれ ず 飯村のぼる 新郎ゼ植物園の初蛙 はつかわず 荒井 頚雨 ぐも ぶんそうはかも 御憎も墓守りもゐず花曇り 森島 保子 じ ひ べにつばきじ≠つど 紅椿浄土に落ちしことも慈悲 木村 千代 まじ上うし 志り落花しづかに舞ふ城址 小野草葉子 花桐短歌 氷山を見るごと造形美しき雲 かき 海の下機は天を溺ぶ 安藤 愛 はなみ 赤沢江の桜を観よとてか部落 ごと冨の補助金にて小公園作 らる 飯田 マサ にんち 任地遠く発つとう弟と湯豆腐 しば を囲みて暫し夜をあたたむ 薄井 ひろ 土盛りせし地面を割りて芽ぶ くさ きたる雑草の強さを吾も欲し かり 枝 不実 予期せざる留守番電話にとま どひて要件の一つを告げ損ね たり 片見 和枝 億光年経てとどきたる寒の星 とわ 地球とう星よ永久に青かれ 川上千代子 デパートのベビーコーナーに 立ち止まり朝顔模様のゆかた 島 愛子 地を買う 打ちよする原油の披に囁き居 る水鳥あわれペルシャ湾岸 関谷 走代 いつはらず湖底は映す雪残る 山裾小屋に春の息吹くを 多田志保子 揚のほてり未だ残れる身をゆ だね車は夕ずける八溝路走る 丹下 栄子 くりやペ 厨辺に陽の短きをかこちつつ ーおさな 菜をきざむ嫁は幼背負いて 坪井きよ子 花桐の第三号を読む編集にか Lで かはりし人の苦労謝しっつ 滑川 信子 はな 桜花咲くを重ねきて六十年父 ことは 母を囲みて今日を寿ぐ 萩谷登喜子 広報じょうほく

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