広報じょうほく No.344 1991(平成3)年 1月
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∵ト∵†∵ 俳句教塗 (清音寺写生) 鉄塔に赤き灯一つある無月 小堀 林三 ピー1〓う 寂光に照る禅林の冬紅葉 永山 綾乃 †ぎ 冷まじや盲壕と聴く恐ろしさ 永山 とみ 禅寺のいま寂光にある紅葉 須江 君子 かもく 落葉掃く二人の僧のゐて寡黙 安藤美恵子 官営の展慮音 おせち 黒豆、きんとん、ごまめ、昆 布巻き、数の子をどの正月料理 おせぢ を「おせちLと呼ぶのは「御節 供」からきたものです。 「節供」は、季節の変わり目 く二 せちにう を祝う節日に食べた供御のこと。 レ)よう し ヒム∴一つ 人日(一月七日)のかゆ、上巳 たムー▼- (三月三日)の革もち、端午(五 月五日)のちまきなども、節供 だったわけですが、のちには特 に重要視された元日の祝い膳の みが「おせち」といわれるよう にをりました。 数の子は、子孫繁栄のシンポ たづく ル、ごまめの別名田作りは豊作 の縁語。黒豆は健康の意「まめL に、昆布は「喜ぶ」に通じると ころから、縁起物とされたわけ で、すべて栄養のある保存食品 が選ばれています。 「松の内」の間のごちそうを、 保存のきく「おせち」ですませ る工夫は、主婦が休めるように した生活の知恵でした。 正月料理をさす俳句の季語 くいつふ 「食積」は、積んでおく食品と いう意味。現代の「食積」が家 庭で作られず、デパート、スー パーをどの予約品やパック入り の「おせち」が多いのも、時代 の流れでしょうか。 猪野はるい り●ヽ・. 掃き清む浄土の竜の玉濃ゆし 小山 静香 銀杏黄葉掃く音のみに暮るる寺 丹下やゑ子 か阜たか 僧の掃く落葉の斯くも堆し 鈴木 幸子 山寺の静けさ紅葉散り急ぐ 井坂 光夫 きわ 日当れるときの紅葉の色棲む 桐原 桂花 /′し\ ゆず 夕日渡し禅の紅葉の散り急ぐ 柚子照りて明るさ仏間まで及ぶ 宇野 英一 森島 保子 ひとひ いち▲うきほ 風雨去る浄土に銀杏黄葉残し 柿熟るる平家の里に釆て一日 木村 千代 改まる年へ即位の礼終る 荒井 頒雨 やな 千里釆し鮭に無情の鉄の築 飯村のぼる ㌧ 冬紅葉禅の心を以て潰し 小野草葉子 (指導者) 雪国の小正月の行事で、特 によく知られているのが、秋 田県横手市のかまくらです。 雪でかまど型の雪洞を作り、 そのをかに祭壇を設けて、水 でL 神様や家々の厨子を祭ります。 そして、子供たちがそのをか に入ってコタツを囲み、もち を焼いて食べたり、甘酒を飲 んだりします。 大人たちは、もちやさい銭 を持ってかまくらを訪れ、子 供たちは甘酒を振る舞います。 この行事を、をぜかまくら というのかは、はっきりしな いようです。ただ、鳥追いの 歌の歌い出しに、かまくらと いう言葉があるところから、 鳥追いの行事と関係があると いわれています。 横手のかまくらは、最近は 観光行事にもをっていて、市 内にl一百個ものかまくらが作 ↑∴◆′十 十ツ◆う かま くら ′し られ、九州や関西方面からの 団体客もくるそうです。 また、雪祭りの行事の一つ として、かまくらを作るとこ ろもあります。観光用のかま くらを長持ちさせるために、 をかに金銅のカゴのようなも のを入れ、その上に雪をかぶ せる方法もあるそうです。 料理の飾りにも、かまくら が流行しています。かまくら 型の氷のなかに刺身を入れて、 皿にのせるのです。刺身がよ く冷えて、おいしく食べられ ます。最近は、刺身用のガラ スのかまくらもあります。 ところで、一月二十四日か ら三十日は、「全国学校給食 週間」です。学校給食の意義、 役割への理解と関心を深め、 一層の充実を図るために「我 が校の自慢料理」をどの行事 が、各地で行われます。 広報じょうほく
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