広報じょうほく No.338 1990(平成2)年 9月
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風貌轟齢俳旬敬重 七会彿国寺にて 指導・ホトトギス同人 小野草葉子 へび 蛇いちごどこにでも熟れ女坂 須江 君子 ぉ粥に袈曝すがる酎の庭 う 猪野はるい こ うっそう 鬱蒼として禅林の涼しさよ 永山 綾乃 天仰ぎ地に伏し雨を乞ふ神事 小堀 林三 のとぽとけ 秋風がぐんぐん過ぎて喉仏 今瀬 剛一 違花火音する時の暗きこと 加藤 鉦好 ひび割れの柱もありて夏座敷 片見 博 泳ぐ子のしぶき母までとどきけ り 中村 草介 圭 抱き揚ぐる鮪と共に身を反らす 鈴木きよし 干し草を高く積み上げ火を放つ 原 勝男 声一つをき山寺の蝉の木々 木村 千代 いっし上< とも げ こも 一燭を点し老僧夏に籠る 森島 保子 訪ね見し今日の噂寺蝉しぐれ 小山 静香 争竺呈ラどしゃが 荒浄土著苺つややかにして涼し 井坂 光夫 しめ 百合の香や参道の石湿りがち 宇野 英一 したやみ 下関の参道あえぎつつ登る 桐原 桂花 かなかをやポテトサラダのよく いそペきよ 匂ひ 駅前の放置自転車油照 桧山 よて ひつじぐき 未革具昼音なき水の面 羽石 次枝 仏壇の四角明かるく青りんご 飯村 愛子 そうぎ一う 金つそう ぴ ぼらばらと早暁の雨夏薔薇 瀬谷 博子 ハイビスカス我が家にも咲き夏 の畳 阿久津あい子 しぐれ 沈む日を惜しみてゐたり蝉時雨 小田木 梅 とう▲;■む 遠青嶺連ね連ねて棟上る 鶴見 弘子 働らきて大き父の背秋入日 安藤沙都子 よ つや 夜の蟻の如くに通夜の門を出る 安藤美恵子 た蓋わぉうな 田廻りの姐に蝉の鳴くばかり 丹下やゑ子 ひつ智 門を出る柩に触れし白桔梗 永山 とみ ほ人しょう 村々に及ぶ梵鐘秋近し 荒井 煩雨 ’▲う 廃船に萩投げ入れて経を読む 飯村のぼる 甘き 胎風の近づき寂として浄土 小野草葉子 等目の先のくづれる野分風 浅野 菊枝 ゎんと 大西日友を見舞ひし安堵をり 長須きみの 草刈りの木影に茶器をひろげけ り 高橋 芦江 秋めきて信号灯に往き来をし 渡辺 典子 台風の過ぎたる後や真の白し 飯嶋 とみ 浮雲の遠くにありて秋目潰し 吉元つる代 をみ摩へし 星のごと窓から散らし女郎花 竹内 幸子 シャンプーの抱をゆたかに秋涼 し 鯉渕寿美恵 (城北句会選) 豊 分 野 芭蕉 野分して たらいに雨を 聞く夜かを これは、雨漏りがして、た らいに雨を受ける光景をうた った芭蕉の句です。しかし、 いまではこうした様子はほと んどみられをくをりました。 野分は、秋から初冬にかけ て吹く台風のことです。台風 のあとの荒涼とした風景の意 味に使われることもあるよう です。「野分だつ」という言 葉もあります。 それにしても、「野分」を どう読むかですが、のわき、 のわけ、どちらも辞書に載っ ています。NHK編の「新用 字用語静典」には、「のわき」 とあって、「野分けとも」と をっています。語源について は、野の草を分けて吹く風と いうのが一般的です。 いずれにしても、野分は現 在は日常の言葉として使われ ることはほとんどをく、俳句 の季語などとして残っていま す。もっとも、台風という言 葉は、第四代中央気象台長の 岡田武桧氏が、英語のタイフ ーンの訳として使いだした言 葉で、一〇〇年もたっていを い新しい言葉です。それ以前 は、暴風とか野分といってい たようです。 ところで、台風は風水害を もたらしますが、このほか災 害には地震、がけ崩れ、津波 をどによるものがあります。 こうした災害を防ぎ、被害を 減らすためには、日ごろから の備えが大切です。 九月一日は「防災の日」。 八月三十日から一週間は「防 災週間」でしたが、防災訓練 をどには積極的に参加し、い ぎというときに備えましょう。 広報じょうほ<
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