広報じょうほく No.337 1990(平成2)年 8月
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花桐会短歌 はた 角かどに新しき峨はためかせ製 茶工場の位置知らすらし 安藤 愛 わがきと 我郷の赤沢江史跡に植えられし 八重桜三年目にて見事に咲きぬ 飯田 マサ 那珂呵一乗院写生 指導・小野草葉子 一′∈≡彗モ■巨=毒≡■ニ 風貌轟齢 俳句観塗 と 皿をこぼるる暗も一対さくらん ぼ 土 今瀬 剛一 朝霧の切れぎわ光る青田かを 加藤 鉦好 万緑の中釆てループタイの冷え 片見 博 前掛の大きいポケット袋掛 鈴木きよし 鮎釣られ跳ねつつ滑ペる水の上 中村 草介 日が差してサーファー波を捕え けり 原 勝男 齢のびし僧の哀れや新鮮紛ゆ 小堀 林三 けっかい たかあ 結界のどこに倖ちても百合薫る わくらは 病棄の二枚三枚散る浄土 永山 綾乃 どうれ人 鋼蓮に額の花びら浮く揖酢 安藤美恵子 はたみ廿 真昼間の光あつめて花舗に咲く \h兵. ブーゲンビリヤの花の紅 薄井 ひろ 展望台に立ちて眺むる錦ケ浦命 絶ちにし人思いつつ 枝 不美 お見舞いに訪い来し友は指にも つ九谷の湯呑みまわしつつ褒む 大畠 元宏 な ユーカリの影ながをがと青芝生 飯村 愛子 廻廊の奥まで通り青葉風 阿久津あい子 バス停の影を濃くして大西日 小田木 梅 ほうほうと働き過ぎて草いきれ いそペきよ 梅雨晴間郵便受の反射光 長須きみの 遠き日や乾きし音の貝風鈴 鶴見 弘子 きぎ 寺の樹々梅雨の晴間に一と手入 れ 森島 保子 あじさいもぅ 玉砂利を踏み紫陽花の寺請で 木村 千代 ばんりょく のり お肴ひ与し 万緑に小暗き法の大鹿 井坂 光夫 梅雨冷や山鳩時きて寺寂し 丹下やゑ子 浦島草ひっそりと咲く醒を釆て ¢○か 「春園鉱湯も滴れし」と聞きぬ 片見 和枝 桐の花あはく並び咲く旧街道前 みつづくるわがノスタルジア歩 川上千代子 不器用を抱き方して孫をあやす つ重 夫の仕草の亡き父に似る 島 愛子 むく 溢れるまで挿してもさみし自捧 瀬谷 博子 檻 ウィンドーに光はじけて猫じゃ らし 高橋 芦江 ひつじ華美畳まぶしき山の寺 げ 羽石 次枝 春雨や握りこぶしよ強くあれ 安藤沙都子 病院の窓を全開乗の花 桧山 よて ころころと出す膝小僧浴衣の子 浅野 菊枝 くげ 傷多き水子地蔵に菊の供華 荒井 嶺雨 兜れ合ふれる地蔵や雛離船 宇野 英一 尉鋸のかすかに及ぶ僧の居間 桐原 桂花 いた 人悼む心に白き梅雨の蝶 永山 とみ しまし妻 つばさ 巨大なる巽広げて本島と島島結 ぶ瀬戸の大橋 関谷 是代 l董のは タンカーの火災広がりゆく焔ま けが た汚さるる母をる海は 多田志保子 漫然と空にたゆとうアドパルー のぞ ン我も誘われて店頭を覗く 丹下 栄子 †のpら はま凝† 攻塊の実を掌に旅達し 猪野はるい ひとむか 人迎ふ席華やかに花昌蒲 小山 静香 のり 梅雨の月掲げて法の深眠り 飯村のぼる 梅雨時し光の継きガ恥叡 小野草菓子 芋の茎むきて深まれる指先を気 にしつつひと日豆腐商ふ 坪井きよ子 スポーツに老いら張り切りて楽 しげをり試合とをれぼ若きに房 る 滑川 信子 ふく 紫陽花は日毎色濃く膨らみぬ少 女の秘めし夢のごとくに 萩谷登喜子 七夕や書きてこぼるる願ひごと 渡辺 典子 すぐに手が伸びて草取る風の中 飯嶋 とみ 金魚売り子育て遠き日を思ふ 吉元つる代 子と握手してひろがれり夏の雨 竹内 幸子 雨あとの草の匂へり夏野行 鯉渕寿美恵 広報じょうほく
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