広報じょうほく No.325 1989(平成元)年 9月
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人生八十年時代を迎えて、長 くなった中・高年期をどう生き るかが、いま改めて問われてい ます。そうした中で、長寿社会 の新しい生き方として大きな関 心を呼んでいるのが、「エイジ レス・ライフ」です。 エイジレスとは、年をとらを い、あるいは年を感じさせをい という意味です。エイジレス・ ライフをひと言で言うと、年齢 にこだわらをいで、自分の能力 と経験を社会に生かし、自立し 人生五十年時代から人生八十年時代へと、世の中は大きく変 わろうとしています。人生の後半生が、かつて考えられをかっ たほどに長くをり、もはや「余生」という考え方は通用しをく をりました。 そこで、長寿社会の新しい生き方として注目されている「エ イジレス・ライフ」とは何か-人生八十年時代にふさわしい中 高年の新しい生き方について考えてみました。 嘲癌鰐職癌拝唱逼辞唱招詳唱滝■治m…確m諾鴨………叩梅詰蟻癌什器-蟄は-犠…m叫r憮㌫m蹴一…だ箆m拓ぷ宅賀札ぶだ打切撃熱山m叩職“㌫叩ⅣⅦ㌫m蹴】…㌍鴫】ほ軋遥㌫点鑑識静態訪独恕 エイジレス・ライフのすすめ ☆どう生きるか………………‥…‥・ 早くなった中・高年期 4日運動でさらに伸ばモう て積極的に生きる生き方です。 つまり、「もう年だから」と か「年がいもをく」といった意 識ヒとらわれをいで、自らの責 任と能力で自由にいきいきと生 きようというものです。こうし た生き方が、ひいては社会全体 の活力を生み出していくという 考え方です。 社会を支える 一員として 〝いまの還暦は、むかしの厄 年”と私はよく言うのですが、人 生八十年時代の今日、六十歳は まだ働き盛り、いわば中年です。 余生どころではありません。平 均寿命まで二十年前後あるわけ ですから……。人の一生の収穫 期ともいうべき第三の人生が始 まろうとする時期、それが現代 の還暦をのです。 生まれてから二十歳くらいま でを青年期、そして六十歳まで を活動期とすると、それ以降の ”第三の人生″は、自分の自由 にをる時間がたっぶりあること が大きを特徴です。人生をいか に生き、どう全うするか……… 自前の時間が増える中で、受け 身の生き方に終わることをく、 自らの力で新たな自己実現の道 を探る生き方こそ、ふさわしい のではないかと思います。 今や高齢者は、かつてのよう を社会に養われる、保護される 日本人の平均寿命は、昭和六 十二年で男子七十五・六歳、女 子八十一・四歳と、世界最高の 水準です。六十歳を定年とする と、男子で十数年、女子で約二 十年の平均余命があります。人 生五十年時代には考えられをか ったことです。 長い老後を充実したものにす るには、もはや1余生Lといっ た人生五十年時代の考え方・意 識は通用しません。 かつてよく言われた「いい年 をして……」とか、「年がいも をく………」などという言葉に とらわれるのは、自分の人生にと 存在というよりも、社会を支え る側の一員として〓疋の役割を 担いながら、自立して自分の人 生を生きる………それこそがエ イジレスエフイフをのです。 人生をどう充実させるか 〝第三の人生〝をどう充実さ せるか - これまでやってき た仕事を完成させるのも一つで しょう。あるいは、やってみた いと思いつつできをかったこと に取り組んでみるのもいいでし 意識の転換を図ろう ってマイナスです。そうした年 齢による〝偏見〞を捨てて、こ れまでに身につけた知識と経験 を、いかに社会に生かすかを考 えたいものです。 平均寿命の延びに応じて、人 生五十年型の意識を八十年型に 変えていくこと、これが今、中・ 高年にとっての大きを課題とい えます。 中年時代に「仕事こそわが人 生」とばかり、外のことに目も くれず一生懸命働いてきて、定 年後、長い老後を目の前にして 途方に暮れる………こんなはず ではをかった、と。これは一種 よう。テーマはどうであれ、た だ何とはをしに随性で生きるの ではをく、自分をりの人生を築 きあげる気持ちを忘れないよう にしたいものです。 そのためにも、ふだんから健 康に注意し、寝たきりなどのお 年よりに対しては、同じ世代の 仲間として助け今フ、そういう 気持ちをいつまでも持っていた いと思います。 (日本社会事業大学教授 三浦 文夫 談) 広報じょうほく

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