広報じょうほく No.319 1989(平成元)年 3月
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だ 色 まを考へてゐる牡丹の一 展示されているモネの苦悩の文読冬空を菌に染めて昭和の陽沈み みて見るすいれんの息づくごと てゆけり万感の中 安藤 愛 ひとりでに涙こぼるる一日をり 昭和と共に生き来し吾は 飯田 マサ 手を入れて庭の樹々など刈込め ば師走の風は吹きぬけにけり 薄井 ひろ 花桐会短歌 腰痛の柔らぐ蓬風に合ひ 原 勝男 凍てし夜は子と山ん婆の話する 袴塚 末子 芹取りし後の芹田の光りけり 瀬谷 博子 雨しとと水餅深く沈めけり 飯村 愛子 牡丹の芽包みし藁の匂ひけり 小田木 梅 梅咲いて食べ初める子を上座に す 高橋 芦江 しもやけの耳撫でられて春浅し 飯嶋 とみ 静寂の中の静寂牡丹の芽 いそペきよ し 大畠 元宏 冬に入れば全く日陰と思ひゐし 寒き茶の間に光り射し込む 片見 和枝 嫁がせて三歳を経たる吾娘宛に 、舟らいだる 婚礼用品展の案内状届きぬ 川上千代子 母あればこそ石墨と云ひし娘の 言葉思ひつゝ八つ頭煮る 島 愛子 二十六年育て来し吾息子手放す 日自とあきらめの心はしきる 関谷 定代 .( 多田志保子 からまつの枯葉すかしに浅間嶺 の雪は絹条なしてかじやく 丹下 栄子 待ちかねたる年金受給の手続き を終へて過ぐる日の長く短かり しよ 坪井きよ子 野も道も覆ひて朝霧立こむるお ぼろの中をベタル踏み行く 滑川 信子 木もれ日の射す菓の中に歩み入 る恐ろしきまで満てる静寂 萩谷登喜子 深々と息子の合格の喜びを噛み しめゐる揚舟のひときわぬくし 子の意見すをほに受けて春の虹 浅野 菊枝 たんぽぽも蝶も黄色に孫の文 阿久津あい子 針供養母の香りの鯨尺 桧山 よて ガラス窓夕陽集めて日脚伸ぶ 長須きみの 冬夕焼を吉子の双眼鏡で見る 竹内 幸子 束の間を窓に日当るすみれ草 吉元つる代 厚着してものやはらかく言ひに けり 鯉渕寿美恵 (城北句会選) P 寒明けの山に向へて墓並ぶ き 荒井 須雨 さよあぜ 風少し出て釆て勢ふ夕畦火 永山 とみ はりど 星空の破璃戸の外の鬼やらふ 森島 保子 つか 道芝に束の間霜のかがやける 小堀 林三 戸焼きの炎ますぐに伸び上る 永山 陵乃 つなてっさ 廃船を繋ぐ鉄鎖の夜々吹雪く 飯村のぼる に才 賑やかに鬼の面々豆を撒く 木村 千代 いて 凍雲のあたりもっとも朝焼けり 森島やゑ子 ぞう 梅林の一景百を蔵したる 川澄 好文 炎の如き書置き富士の冴え返る 丹下はつ江 ⊥∵ニュエ 書初めのまだ使はぎる筆硯 安藤美恵子 よみがえる木々の白肌日脚のぶ 須江 君子 火の山も眠るよ厚き雪を被て 桐原 桂花 ふれあい 俳句教室 /l\ ㊨ふれあい俳句教室から これからの俳句教室は、毎月 第一土曜日の午後一時からと決 まりました。場所は那珂西二区 集落センターです。受講料は無 料です。多数ご参加ください。 ▼問合わせ先 那珂西 小堀 林三 電八八-二五〇三へどうぞ 雪虫は天恋ひ我は母を恋ふ 小野草葉子 指導・ホトトギス同人 俳誌草笛主宰 小野草葉子 国保税の納税相談日 毎月1日 ~10 日 ま で (土曜の午後・日曜・祝日は除く) 保険税は 納期内に納めましょう
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