広報じょうほく No.307 1988(昭和63)年 3月
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せり 芹 に たつ 囲 れ ま晴天の芹を摘む 籍≡国昭国睦『家庭⑬因』 家族みんをで話し合いをしょう 「家庭の日」は、家族が一同に会し、だんらんのひととき をみんをで語り合う日として提唱されているものです。 /( 考へのきまりし白鳥はばたきぬ 小田木 橋 鉄塔に春一番の体当り 長須きみの うしろより初雪降れり夜の町 桧山 よて ら人 陽の光りこぼれて咲きし蘭の花 飯嶋 とみ 地球儀を回す指先すぐ冷えて 袴塚 末子 冬枯れの川まんまるき石拾ふ 阿久津あい子 白梅のぼっかりと浮く日暮かを 浅野 菊枝 焼けし鷹の続きに夕日見てゐた り 瀬谷 博子 し虎ん塵⊥一っ 春暁のチャイムが知らす検温時 吉元つる代 母とゐてあめいろとをる風邪薬 竹内 幸子 サしらう宙 透きとほる白魚雨の匂ひせり 鯉渕寿美恵 (城北句会選〉 とけかかった雪の下から、 黄緑色のフキノトウがのぞい にかツクシが顔を出していた ているのを見つけた時のうれ しさ。着ぶくれから解放され て外に出てみたら、いつの間 のを発見した時の感激。 摘み草は、春を迎えて心は ずむ気分にぴったりの楽しい 行事です。縦に長い日本列島 のことですから、摘み草の時 期はまちまちですが、特に冬、 雪にとぎされる北国では、摘 み草は待ち遠しい行事のひと つです。 もっとも、都会人にとって は、摘み草はレジャーですが、 農山村では、食料を得るため の仕事でもあります。 ところで、実は最近は摘み 草というより、山菜狩りとい う言葉のほうがポピュラーで 塵 摘み草 す。春の野で若葉を摘むだけ でをく、山の中まで山菜を探 しに行くからをのでしょうか。 近ごろの山菜ブームはやや 過熱気味です。細い山道にト ラックで乗りこみ、大量の山 菜を採取する。タラの芽をど は、先を争って固いうちに持 ち帰ってしまったり、来年の ことも考えずに芽を全部摘ん でしまう、自然の味覚を楽し むのは結構をのですが、こう をると”春の野にいでて若菜 摘む〃という古今和歌集の風 情には程遠い感じですね。 若菜とともに樹木の緑も見 ぎめます。三月〜五月は「国 土緑化運動強調期間」です。 この期間中の五月二十二日に、 香川県で全国植樹祭が行われ ます。今年のテーマは「今、 人と緑のふれあいを」です。 広報じようほ<
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