広報じょうほく No.261 1984(昭和59)年 9月
2/10
落語の世界の錆公さん態さんは、困りごとがあると横丁のご隠居の所へ相談に行きます。相談を受けたご隠居さんは、「お前さんがた、そんなことも知らないのかい」という具合いで迷惑がっていますが、その実とてもうれしそうです。「それはだれ……」、ご隠居は、半ば誇らしげに、少しもったいぶって話し始めます。このように、お年よりは〃知恵袋〃とか〃生き字引き”と呼ばれて大切にされていたものです。時は移り現代、マスコミの発達などで、お年よりの〃生き字引き”的な価値は薄れてしまったかも知r舗蕊航の知恵と経験I家族や地域社会のために役に立一二」とかできると思い琴苛習か……全国の六十歳以上の人にこう尋ねたところ、およそ六割の人が「どちらかといえばそう思う」と答えています。これは、昨年の十一月に総理府老人対策室が発表した『老後生活の心理面に関する調査』によ扇繕皐の一灘です。隼をとっても讃這霊だや誕愚I易議持ちを家庭や地域社会で生かしていくには、お年よりばかりでなくお年よりを囲む家族や近隣の人々の努力も必要なのです。九月十五日は「敬老の日」・この日を機会にお年よりの社会参加について考えてみましょう。お年寄りの役割戸れません。しかし、お年よりが家庭や社会にとって、大切な存在であることには変わりありません。とかく夢みがちで、時には無謀な若者、それが若さの持つ特権といえますが、それに対して、お年よりには経験に裏打ちされた思慮深さや冷静に物事を見極める目があります。こうしたお年よりならではの持ち味や特徴を、家庭や地域社会で、もっと役立たせてほしいものです。アメリカの社会学者ハビガーストは、老人には三種類の役割りがある、といっています。その一つは、職務上の役割りや一家庭での親とLでの役割面‘曇・なとのように、年をとるとだんだん小さくなってくる役割りです。二つめは、投票の義務とか社会のことに関心を持ち続けることなどのように、年をとっても変わることのない役割りです。そして、三つめが、年をとってから新しく生まれてくる役割りです。民芸品作りの伝承、人生経験を生かした各種の相談活動などは、この三番目の役割りといえるでし挫李や『/◎露三の役割りlこの後割りこそ詞社会が必要としているお年よりならではの役割りなのです。お年よりのいるご家庭で注意していただきたいのは「もう年なんだから」とか「そんなことをさせては申しわけない」などといって、お年よりの行動に制約を加えてしまうことです。これではお年よりの方も「もう隠居だから」「出しゃばりだと思われる』などといって引っ込み思案になってしまいます。「能あるタカは爪を隠す」ということわざがあります。しかし、持っている知識や技術は、人に与えて初めて価値が生まれるといっても過言ではありません。お年よりが、自分の知識や技術を「たいしたことではない」と思っていても周りの人から見れば価値あることかもしれません。家庭や社会で役割りを見つけ、伸び伸びと行動で曽る●ようにしてあげてください。特にいまは、核家族と呼ばれる、おじいちゃんやおばあちゃんのいない家庭が多くなっています。ですから、育児のコツ、漬物のつくり方など、お年よりにしてみれば当たり前のことも、若い世代には、知られていないことが意外に多いものです。息子夫婦や娘夫婦と会うのは年故郷とは↑いづにな一二:もいいものである。幼いころのかずかずの想い出は、温かく、なつかしく、そして、貴重な存在として心に残る。新しい世代は、こうした歴史と伝統の中に育ち、やがて、未来を創造する偉大なる力となって表われる。【一常北ふるさとまつりふるさとまつりは、私たちの》歴史と伝統を継承しつつ、新し一い世代を創造しながら、ふるさ一とを愛する心を育むことに目的一があり、意義がある。・今年のふるさとまつりは好天《にも恵まれ、町民総参加の”じようほりくふるさとまつりがとして成功をおさめ、好評を博した。に一度か二度というお隼・よりもいらっしゃるでしょう。若い世代との交流の場を持ってもらう意味でも、地域社会での活動を通じ、お年よりの持つ〃知恵と経験“を若い世代に伝えてもらいましょう。罰声広報じようほく2霊北町科雲万博を成功させる会-912-家庭で社会で活躍の場を
元のページ