広報じょうほく No.259 1984(昭和59)年 7月
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2-運動療法」今回は、主に脳卒中(高血圧性出血・脳梗塞など)を例にとって話をしましょう。ひと昔まえまでは、脳卒中で倒れると、本人も家族も“中風になった〃とあきらめて、家の片すみで寝たきりの生活を送り、一生を終ったものです。しかし現在では、病医院での精密検査や内服治療によって、かなり脳卒中の予防はできるようになりました。また、万一脳卒中にかかっても、対症治療と同時に、リハビリテーションの早期治療の開始によって、健康なマヒをしていない上・下肢(手足)の筋力を利用して、かなりマヒした機能も回復させることができるようになりました。脳卒中のリハビリテーションは本質的には、片マヒ(左・右いずれかの半身マヒ)の機能回復訓練療法です。発病したときは、できる限り早期にリハビリテーションを開始すI鰹掌レポ:トーリノビリテ4‐ション(Ⅱ)誠靴憾堆刻刻垂倒神長一郎■~可ることか、回復を早める絶対的条件です。多くの場合、発病したときから数日または数週間で開始しますが、一番効果的なリハビリティーションの治療時期は発病後六ヶ月間でず。その期間に、回復可能な機能の、〜帥%は回復されねばなりません。機能訓練療法は、まず、ベット上での動作の訓練から始って、起立訓練、歩行訓練、そして、階段の昇り降りなど、日常のいろいろな動作の訓練へと順次すすんでいきます。運動機能回復のための訓練は二十四時間〃己との斗い〃だといわれます。私どもも病と斗う患者さん方をみるとき〃つらいだろう〃と同情することがあります。しかし、治療には心のやさしさと厳しさが大切です。また、リハビリティーションの最大の失敗の原因として、患者さんが、身のまわりのことは他人にやってもらえるという依頼心をもってしまうことです。難かしいこ‐《煽乏とうしい梅雨期から夏にかけては、食中毒が多発する時期でもあります。次のことには充分注意し、健康で明るい生活を送りましよ』フ。食中毒の大部分を占める細菌性食中毒を防ぐ、日常の注意をご紹介します。〉綱菌の汚染から食品を守るまず、調理をする人は手をよく洗うこと。食器、調理器具、ふきとてもできるだけ自分てやらせることです。手助けをしない〃不親切〃が、最大の〃親切“であり、思いやりなのです。医療機関での専門的な治療ばかりでなく、家族の皆さんの協力もまた、非常に大切なことなのです。また、交通事故などによる運動機能障害も、一般的医学治療と相まって、一日も早くリハビリティーション治療を行い、関節や筋肉の運動機能を回復させなければなりません。近年、リハビリティーション治療も、訓練、治療の範囲が広くなり、言語訓練、四肢切断者の義手、義足訓練などから、今日では、内科疾患、ことに胸部疾患に至るまでその対策範囲が非常に広くなってきました。食中毒の予防と応急手当んなども清潔にし消毒する“ネズミ、ゴキブリ、ハエなどから食品が汚染されないようにし、食品の保存にも工夫する。▼早く調理する.早く食べる買ってきた食品は長く放置しないで調理する。特に、生鮮食品はできるだけ早く調理し、鮮度の落ちたものは使わない。次に、調理したものは早く食べるようにする。古くなったものや、調理して時間私どもリハビリティーション治療に毎日たずさわっている専門スタッフにとって、脳卒中を発病されて、四肢の運動マヒ、言語障害を併発されたとき、老人がたは、一日も早く家庭に復帰して、せめて自分のことは自分でやれる程度にまで回復させること。壮年の方々は、何とか社会復帰して軽作業に従事できるまでに回復させることを目標に治療につとめております。しかし、老人の方のなかには、この病気になると感傭、情緒が不安定になる方がたくさんおりますので、ご苦労ですが、家族の皆さんの総がかりでのご協力と、できるだけ早い時期でのリハビリティーション治療をはじめられることを特におすすめします。r~可のたったものは食べないこと。マ揚げる・煮る・焼く細菌は熱に弱いので、食品はなるべく揚げる・煮る・焼くなどして、十分に中まで熱がとおるようにする。また、冷蔵庫で食品を保存するときは、五度C以下の温度を保つようにする。⑥食中毒をおこした場合▽応急手当早く医師の治療を受けます。症状が重いときには、入院治療が必要になります。医師の診療を受ける前には、次の点に注意します。①食べたものは、なるべく早く吐かせます。のどに指をさし込んだり、水やぬるま湯を多く飲ませて吐かせます。②下痢が激しいときは、水やぬるま湯を少しづつ飲ませ、脱水を防ぎます。③安静にさせ、手足が冷えるようなときは、電気あんかなどで保温します。④あとの検査にそなえ、次のものをよごさずにとっておきます。●原因食品と思われるもの●吐いたものや便など一|こ広報じようほく成功させよう科学万博つくば’851-893-

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