広報じょうほく No.255 1984(昭和59)年 3月
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常北町から依頼されていた医学解説も今回で終りです。最後ですので、何か皆さんにアピールするものを……と考えたのですが、頭に浮かぶものは、どうしても癌になります。町民の皆さんもやがては必ず死にます。そのときの死因の圧倒的トップは、何といっても癌ですから……。人間に残された最後の敵です。恐ろしいです。無気味に働き盛りからの人をねらう最大のワルです。四人に一人は癌で死にます。日本人としてみた場合、現在もっとも多いのは胃癌ですが、ほどなく、欧米先進国なみに、トップは男女とも肺癌になるでしょう。r~可ガンは怖以下多い癌として肝食道脈、リンパ線、前立腺癌などがあり、女性だけでみれば、子宮癌(子だくさんに多い)乳癌(子のない人に多い)も多発しています。一方、白血病なども血液の癌と解釈されています。だが、人間が癌との闘いに一方的にやぶれているわけではありません。着々と反撃の体勢を固め、現在では、条件によっては、癌は治せる……という段階に一応はきてはいます。アポロ宇宙船が話題になり出したころ、故ケネディ大統領は「我々は、知恵の限りをつくして、今後十年以内に、人間を月へ送ることを全世界の人に約束する」といい、それを実現しました。だが我々としては、本当は、医師その他の科学者が、全人類に「知恵の限りをつくして、十年以内に癌を撲滅する」と、大みえをきりたいのです。だがなかなか、そうは言えぬ……というのが実情であるうちに、一九八一年よりは、日本人死亡原因第一位に癌が踊り上ってしまっているのです。ただ(、し、茨城県では今のところ癌死は第二位です。とにかく、現在、癌の原因として一番有力視されているのは、我々が飲食するときに口から入ってきたり、吸入する空気からきたり、皮フの接している環境の諸物に由来する、いろいろの刺激物や、一方では、ビールスの感染などが身体の細胞を狂わせて、癌細胞に変身させるのではないか……?というものなのです。そして、治療は、手術、抗癌剤の投与、放射線照射が三本柱なのです。しかし、いずれも、時期とか拡がりとか、癌細胞の性質まで考え併せると決定的なものではなく、どうも将来は免疫学からの癌退治が期待されているのです。つまり、癌細胞は本来は身体になかった生物だから、それに対しての、人間本来の防禦の力である抗体を体内に作らせて、それで獅子身中の虫を退治してもらおうというわけです。一部の学者は「研究が進んでもうそれは二・三年先の話にせまっている」とまで言う人もいるくらいです。それでは今、一体私達は日常生活をどうしたらよいのか?、最後に書いておきます。@なるべく片寄らない食事をしよ画「/◎。ひどく熱いものや、こげたもの防腐剤の多いもの、漂白したもたばこは、町内で売り上げた本数に対し、一本につき一円五十六銭の割合で、町全体では一年間約四千万円という〃たばこ消費税〃が入ってきます。町外へ出かけるときは、町内で買ってゆくよう心がけてください。の等に今.』震》そこ・″、かびたものを食べない。③煙草をやめよう。、アルコール等の刺激物もへらそい『ノ。⑤なるべく良い空気を吸っていよう。しかし、ジリジリ太陽に当たるのはやめよう。、肝炎その他、病気はその都度きちんと治しておこう。▼その他に、本年二月十日、米国ガン協会の発表した食物の注意にこんなものがあります。これはアメリカ人向けですが、一応書いておきます。なるべく減らすものは、脂肪、食塩、くん製、アルコールたばこは町内で買いましょう一Sm釧《耐Clean蛾珍ち域霞在一・写とにかく太るのはまずし《)かわりに多く食べたいものは、繊維の多いもの、特に油菜科の野菜それとビタミンA◇Cの多いもの等となっています。最後に、これが一番大事なこと、それは癌の治療は早期発見早期治療が鉄則です。男四十すぎ、女三十五歳すぎは、一応癌年令と考えて、体調に不調を感じたら、早目に医師にみでもらおう。そして一方壷ば、元気一杯でも年一回の対癌検診を受けてみましょう。へ水戸協同病院皮フ科・筑波大一一医学部大学院・自治医大講師}=▽息ec<て軍蝿綴瓢1鯵骨筒=量噌慧鎮慧鎮『。‐…守ってますか察煙マナー日本専売公社■4,Ⅱ}常北町科学万博を成功させる会広報じようぼく-844-
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