広報じょうほく No.241 1983(昭和58)年 3月
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今までの国民病とは言うまでもなく結核でした。不治の病、亡国病、金食い病とまでいわれました。だが現在、我々の健康を狙うワル、そのうち感染症であるワルをとり上げて、第二の国民病といわれ始めている病気があります。それは、ビールスによって起こる肝炎です。実はこれが、肝炎のみにとどまらず、肝硬変、肝癌とも関係深いことが分かり、しかも、日本人の間にもジワジワと拡がってきたことが問題なのです。現在、わが国には、急性肝炎が十八万人、そのうち、一○パーセントが慢性化し、四千人が劇症肝炎で死亡しています。慢性肝炎は、全国でほぼ百十万人、肝硬変が二十二万人はいると考えられ、このうち約一万六千人が、毎年亡くなります。また、肝硬変の約半数に近い人が肝癌に移先月号から.水戸協同病院の小泉先生に.成人病に関するレポートをお寄せいただいておりますが今月は、肝炎についてご紹介いたします。第二の国民病。このように劇症肝炎肝硬変肝癌で、年間四万人近くの死亡者が出る事実は、成人死亡の第四位に位し、結核の年間六千人死亡とは比較にならぬ恐ろしい病気で、、しかも、この数字は、ごく内輪の見積りともいわれているのですから、第二の国民病といわれるのももっともだとお思いでしょう。だがこの肝炎にも種類があります。まず第一はA型肝炎といわれるもので、今から十数年前に、全国的話題となった「茨城県の猿島の奇病」がこれであったと考えられています。これは、不潔な飲食物を仲介として、経口的にビールスが感染して来るもので、この肝炎の特に多いアジア諸国での飲食物から感染してくる日本人も少なくありません。猿島の場合は、A型肝炎死亡土葬者の体液が濠み込んだ井戸水を飲用していて患者が行しこのため年間一万八千人以上の人がこの世を去っています。一多発したのです。現在も、茨城県の上水道普及率は、全国都道府県中最低の四十七位です。為政者も我々もよく考えてみたいものです。第二はB型肝炎です。これは血液、体液を介して伝染してくるもので、なおり易いチンピラワルのA型と違って、慢性化したものは肝硬変、癌を招くことの多い大ワルです。医療機関でも輸血の際などには厳重に注意していますが、皆さまも、血液が他人と触れ合うもの、ずばり言って、歯ぷらしやカミソリの共同は絶対にやめましよ』フ。第三は非A非B型肝炎です。これがもっとも未知なもので、A型うちみ(打撲症)も手や足の場合はそう心配することはありません。皮ふが青黒くなっても、数日たつと黄色っぽくなって次第に薄れてきます。痛むときは冷湿布にするとらくになるでしょう。気をつけたいのは、頭、胸、腹などを打ったときです。とくに頭では強く打ったが表面にきずがない場合信一、うちみの手当て=ロ■学、--ノでもB型でもないビールスに起因するやくざワルです。A・B・非A非Bで、各二・三・五といわれる数が、その不気味さを物語っています。以上、肝炎について簡単に申し述べましたが、第二の国民病に関心をもち、おかしかったら医師に指導、検査、治療をお願いすることをおすすめします。水戸協同病院皮膚科・茨城大・自治医大講師は要注意意識の状態をよくみて、軽いと思っても早く病院へ・息が止まっていたらすぐ人工呼吸を。胸を打つとロッ骨が折れやすくなります。呼吸をするごとに特定の一部に痛みを感じるようならその個所のロッ骨が折れている疑いがあります。大声を出したり、体をねじったりしないように注意し園困霊園園圏一て、静かに病院へ連れていきます。腹を打った場合、きずもなく元気そうでも、しばらくして急に倒れることがあります。内臓損傷の疑いがあるので一刻も早く病院へ。痛むからといって温めたりするのは危険ですし、水分を欲しがっていても与えないこと。とくにアルコール類は絶対いけません。(国保新聞より)一|?広報じようぼく-685-

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