広報じょうほく No.221 1981(昭和56)年 9月
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一お年よりの生きがいを考えるある家庭での話しです。「畑仕事を続けたい。ツルがもう一メートルにも伸びた。いま手入れをしないと、いいカボチャができない」おじいさんは、畑仕事が唯一の楽しみでした。近くの農家から借りた、狭いながらも〃自分の畑〃に通い、四季折々の野菜づくりにいそしむことに日々の喜びを感じていました。娘夫婦と三人の孫に、いつも新鮮な野菜を食べさせたい。これがおじいさんのなによりの生きがいだったのです。いま、百人のうち九人が六十五叙以上のお年寄りlこれが、三十四年後の昭和九十年には十八人と、二倍に増えると予測されています.三十四年後に六十五歳になる人、つまり、お年寄りの仲間入りするのは、いま働き盛りの三十一歳、よく言われる高令者問題というのは、なにもお年寄りだけの問題ではなく、若い人たちの、やがて直面しなければならないテーマであり、そして社会全体の課題でもあるのです。同時に、わが国人口の高令化は、諸外国に例を見ないテンポと規模で進むことも、あわせて考えておかなければならない問題です。九月十五日は「敬老の日」またこの日から一週間は「老人福祉週間」です。人生に定年なしIこの槻会に老人の生きがいとは、よき老後とはについて考えてみました。……………!…………#I§!…一思いやり』力生きがいを奪うことも……一ところがある日娘さんから「少しは体のことも考えてくださどと、野菜づくりを禁じられてしまいました。娘さんにしてみれば、おじいさんが、畑仕事には直接ひびかないものの縫い腰痛を訴え、それに下痢ぎみだったことから、しばらくのんびりしてもらおうと考えてのことでした。この日以来、おじいさんは部屋に引きこもりがちになり、その上、悪いことに生来の持病まで再発してしまったそうです。一義書一那珂西城杜一ふるさと漫歩⑧一一那珂氏の居城で、空濠と土塁兵庫坪である。一一壷“誘宅し、その城辻歴然とし那珂通泰之に居住し、通辰に一一織鴬嬢週》鵬鋸梱棺仲I8i澱涌澱Ⅷ川い胞川11細部瓢寵砺I:刑靴別Ⅷ暇悪鯛率蕊聴諏蕊濯択恥珊Ⅱ諏珊蕊龍誕駕:川射洲訓11側側臆』これは極端垂例か拳:』れませんが、この話には、わたしたちが商令者問題を考える上での貴重な教訓が含まれています。「お年寄りに対する思いやり」が逆に「生きがいを奪う」結果を招く場合が、住々にしてあるということです。総理府が行った「高令化問題に関する世論調査(昭和五十五年十月)」によりますと、『老後はどのようなことを境に始まるか』に対する主な回答は、次のようになっています。体の自由がきかない時鋤%仕事をやめた時羽%年金をもらう時虹%一これを男性だけに(fでみます’ン』、,仕事をやめた時鍋%でトップを占め、一般に言われる〃定年後グッとふけこむ〃ということが、なるほどとうなずけます。つまり「意欲を失う」ことが老化を速めているといっていいでしト李呉ノ○お年寄りの生きがいを考えるとき、わたしたちが心したいのは「被極的に生きようとする意欲を奪ってばならなどlこれが基本です。人生には定年がないのですか一見F一両広報じようほく2”食-422-
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