広報じょうほく No.182 1978(昭和53)年 8月
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広報じようばくヘ○I昭和53年8月15日最近、新聞やテレビなどで↑検察審奉是云が著名な公害事件について「起訴すべきである」とか「起訴しないことが不当である」と誠決したことが大きく報道され、世間の注目をひきました。検察審未是云は、今年の七月で制度発足三十周年を迎えました。そこで、この機会に、検察審木是云制度の仕組みと、これまでの活動状況をふりかえってみることにします。★検察審査会とはご承知のように、刊事裁判は検察官の起訴によって始まるわけですが、事件を起訴ずるかどうかの判断は一切検察官暦任されています。検察官は捜査をした結果、起訴しても有罪になるだけの証拠が十分でない場合や、証拠があっても、犯人の性格、年令、境遇、犯罪の重さなどを考えて、犯人を処罪する必要がないと判断する場合には、事件を起訴しないことができます。これを不起訴処分といいます。検察官は、常に厳正公平に事件を起訴すべきかどうかを決めていますが、たくさんの事件を扱っている中には、判断を誤って、起訴するのが相当と思われる事件を起三十周年を迎えた検察審査会訴しなかったりすることも絶対にないとはいえません。このような検察官の不起訴処分に対し、それが誤りなく行われているかどうかを、いわば市民の代表としてチェックするために設けられたのが検察審査会なのです。★検察審査会の構成検察審木是云は、衆談院談員の選挙権を持っている人の中から、法律の専門家などを除いた上、くじで選ばれた十一人の検察審査員によって構成されます。また、検察審査員に事故があったときに備えて、同数の補充員がおかれています。検察審査員や補充員の任期は六ケ月ですcこのように、検察審査員や補充員には、国民のだれもが選ばれる可能性があるわけです。ところで、法律の卯門家である検察官がした不起訴処分の当否を素人の集まりである検察審査会が判断できるのだろうかと疑問に思われる方があるかも知れません。しかし、検察審査会に期待されているのは、一般の市民の健全な常識に基づく意見を検察官の不起訴処分の当否の判断に反映させることであり、これがこの制度の存在する目的であるわけです。従って検察審査員や補充員には法律などの専門的な知識は心要ではありません。この制度ができて以来、どれまでに二十五万八千余人の人たちが検察審査員や補充員に選ばれております。そして、その職業も会社員、工員、商店主、農家の人、主婦、学生などいろいろですが、皆さんは立派にその任務を果たしています。★検察審査会の活動状況検察審本最云は、検察官の不起訴処分に不服がある被害者や、告訴告発などをした人から申し立てがあったとき、又は自ら職権で事件をとり上げたときに審査を開始します。検察審本景云では、十一人の検察審査員が出席して会議を開き、検察庁から記録を取りよせて調べるのですが、場合によっては、被害者、目撃者等の証人を調べたり、実地兇分したり、専門家の助言を求めるなどして審査を進めることもあります。審査の結果、「不起訴相当「不起訴不当」或いは更に進んで、この事件は起訴にふみきるべきだという意見が八人以上である場合には「起訴相当」という破決がなされます。議決されたときは、理由を書いた議決書を作成して、検察官を指押監僻する検事正に送り、検事正新しい飛雌の時を迎えている郷土茨城を、物の豊かな、心のかよい合う、すばらしい茨城として発展させ、誇りをもって子や孫に引きつぐことは、現代に生きる私達の責務ではないでしょうか。そのためには、行政の力と県民の皆さんの英知とを結集し、行動する必要かあり、更に「対話と参加」の輪を広げ、県政を皆さんとの共同作品にしたいと願っていま{q(》県では、このような住民参加の県政づくりを推進するため、県政全般に対する建設的な意見、要望はこれを参考として結論を出します。これまでに、全国では五万数千件が審査され、議決の結果、検察官が起訴した事件も七百五十件を超え、中には、判決で懲役八年という重い刑がいい渡された例もあります。★検察審査会の利用方法検察審査会は、全国の地方裁判県政に対する建設的な意見や提案等を住民提案力lドを設置提案等を全県民から求め、これを県政に反映させるため「住民提案カード」の制度を設けました。カードは、役場住虻課窓口に備えましたので、ご自由にお持ちかえりいただき、建設的な意見や要望、提案事項等をご記入のうえ、切手をはらずに投かんしていただきます。県では、これ弁関係各部局において処理し、回答文を直接提案者に送り、「対話と参加」の県政づくりに尚一層の拍車井矛けようとするものです。ふるってご利用/、ださい。茨城県広報課所とその主な支部に合計二百七ケ所おかれており、茨城県内には、水戸・土浦・下妻・常陸太田の四ケ所にあります。審査の申し立ては難しい手続もなく費用もかかりません。詳しく知りたい方は、水戸検察審奉長云事務局(水戸市大町・水戸地方裁判所内、電話水戸局二四’○○一二にご相談ください。-7789-

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