七会村117周年記念誌 2005(平成17)年 3月
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たとえば地蔵様や馬頭観音の碑は、不慮の災難で亡くなった人々や、長年にわたって苦楽を共にし生計を支えてくれた愛馬への慰めとして祁(まつ)られたもので、代々のその地域の民衆の哀歓を静かに代弁している。同時に、地元の子供や大切な家畜の守り神の役目も果たし、敬慶(けいけん)な信仰の対象として大事に守られ続けているものも少なくない。道祖神は、村境や道路の分岐点に立てられる民間信仰の石像で、村民や旅人の安全を守ってきた。帥日に1度の庚叩(こうしんⅡ干支のひとつ)に当たる夜に、渡てしまうとからだの中にある霊魂が抜け出て命を縮めたりすることがあるので、みんなで集まって物語りなどをして夜を明かす庚叩識は、祭礼に青而金剛を祭り、道端にその像や三猿像を刻んだ庚申塚を設けた。七会のいろんなところに存在する数多くの野仏たち。私たちは、果たしてそれらの内の幾つの神々に出会うことができるだろうか。ここはひとつ、クルマを縦いて、2本の足でのんびりと歩いて辿ってみようではないか。こうした七会の心の豊かさは、遠来の客にも伝えたいものだ。

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