七会村117周年記念誌 2005(平成17)年 3月
26/32

典型的な中山間地の地形に支配された七会は確かに、広大な面積を要する大規模集約型の農業には向いてはいない。けれども、小高い山の南斜面は陽当たりに恵まれ、水はけもいい.昼夜の気温の差も大きく、季節の寒暖の差もあるIとなれば、果樹栽培にはもってこいの場所である。山あいの田んぼ「八つ田」は収量も少なく作業もやりづらいが、山を伝わって集められた清水が稲を育てる、旨いコメの栽培適地と昔から言われている。それに、もともと自給的な作物づくりが行われてきただけに生産者が自分で食べているものが出荷され、有機肥料を使う方法も普及している。集落に目を向ければ、街道沿いにひと通りの商店が軒を連ね、全体として地域密着型のショッピング・モールを形成し、モノの売り買いだけの味気無さではなく、心の交流も楽しんでいる.地場産業の担い手その哲学と思いに迫る七会の果樹栽培にこの人あき‐大座畑勝果樹栽培は“子育て”県巨峰会の会長も七会の果樹栽培の第1人者的な存在。父の代からのナシ栽培は半世紀の歴史が。昭和弱年に自身で始めた巨峰は、仲間と出耐する七会産のものが東日本巨峰会の品評会で常に上位入賞する高い評価を受けている。「間引きして収穫を8割に抑える、有機肥料を使い、植物ホルモン剤は一切使用しない」“果物も子育てと同じ”の信念で、南斜面の地の利を生かし極上品づくりに命を燃やす。岩下智代子‐畳左端,主婦仲間と味噌作りを始めてはや8年茨城中央農協からの依託で、地元の主婦仲間と手づくり味哨を作り続けて8年になる。味哨は地元の物産センター「山桜」でも『七ちゃん味噌』として販売され、評判を呼び個人で遠くから注文してくる人がいるほど。「地元産の大豆とコメ、赤穂の天塩、と原料は一級品。仕込みは麹(こうじ)のもみ具合いが肝心ですね」毎年、1月下旬から1ヵ月半、連日の仕込みに汗を流す。山口初夫個人で直売所を開設理想の作物に挑む4年前から個人で直売所を開き、自分で作った自然薯や野菜類、妻・裕子さんが手づくりするモチなどの加工品、そして近所の農家から預かった野菜などを販売してきた。「こだわって作る本物の味、理想の作物に一歩でも近づきたいと思ってやっているんです」米づくりにもこだわり、消費者に安全性と本当のおいしさ、新鮮さを届けたいと願う。農業再生の熱意が伝わってくる。地元で唯一の自然薯栽培家真どころ込めて作っていま青、且二一一蕊蕊潔溺鯉灘溌

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です